本物を見る・知るという大切さ

一昨日は第一回のメイクスクールの後に銀座まで出かけて、とある勉強会に参加して来ました。礼法の先生から様々な作法を学ぶ会で、昨日で3回目。もともと婚礼に関するお話だったので、このブログでの詳細は省きますが、最後に先生がお話してくださった言葉がとても印象に残りました。…それは

「本物を知る人は偽物と本物を見極める目を持っているけれど、偽物しか見たことのない人は本物と偽物の区別すらつかない」

というお言葉。これは常日頃、私も感じていることです。私がホテルで働きだしたのは20歳の時で1993年。バブルが弾けた直後でまだまだ景気も良く、都内のホテルでの勤務だった事もあり、いらっしゃるお客様も裕福な方ばかり。

結婚式も和装が主流で(9割が神前式)、花嫁様の打掛はもちろん、ご列席の留袖や訪問着・振袖なども素晴らしいものが多く、そういったお着物を毎週のように拝見し、触れているといつの間にか「良いモノ」がわかるようになっていました。

それから23年。不景気の時代が続くとどうしても安い物に意識が流れがち。着物はお値段が特に反映しやすい物なので、見ただけで「良いモノ」か「そうでないモノ」は分かります。(当然、触ればもっと良く分かります)でも最近の街中で見かける着物は化繊の生地にプリンターで印刷したものばかり。正絹<しょうけん>(本物の絹のこと)に手描きで描く友禅などどはまったく違います。

残念ながら、ヘアメイクさんなどでもそういった化繊(昔は人絹<じんけん>と呼んでましたけどね)の着物ばかり見ている人は、何が良いモノなのかが分からないと言います。

ヘアセットに関しても、バブル期の銀座でヘアセットしていた先輩方から基本を教わり、日々その仕事ぶりを間近でアシスタントをしながら見ていた私は、素敵な髪形をたくさん目にすることができ、仕事をしているだけで学ぶことができる環境でした。

でもフリーになって外に飛び出してからは、あまりにも形が作れない人が多く「え?みんなこのレベルで仕事になるの?」と驚いたのを覚えています。それだけ先輩方が上手だったんだと改めて気がつきました。

いまはいろんなものが簡略化されています。ヘアやメイクも「手軽に」「誰でもできる」「簡単に」という言葉があふれかえり、SNSでは素人向けのヘアアレンジの画像ばかり。もちろん流行はお客様も希望するものですし、そのテクニックを身に付けるのも構いません。

ただ、簡単な髪型ばかりを作っている人は、難しい髪型は作れないのです。そして、今の人たちは本物の技術を見る機会も、学ぶ機会もないということ。数多くあるヘアセットスクールも簡単にしか教えることができないのです。

だからこそ、良いモノを見てきた私たち(40歳前後)の人たちが、後輩に本物の技術を伝えて行かなければ、この素晴らしい技術は廃れて行ってしまうのではないかと危惧しています。手先の器用な日本人にしかできないヘアセット、平坦な顔の日本人の顔を立体的に美しく見せるメイク(外国人は彫りが深いので、ただ塗るだけでも綺麗に見える)。

この素晴らしい技術を後世に伝えて行きたくて、So-magicは基礎にこだわってスクールを開催しています。

 

記念日スタイリストⓇ◇そうますずよ

関連記事

PAGE TOP