下請けに頼らないフリーランスの生き方(2)

それでは今回は運命の職場との出会いについてお話していきます。たぶん、この職場に出会わなかったら、私の今の仕事スタイルはなかった。

ここで学んだことがたくさん今の仕事に生きています。

私はいちばん最初に良いものを見る機会があるかどうかで、その人の仕事のレベルが決まると思っています。

「こんなもんでいいのか」と思うようなものしか見てこなかった人は、なかなか上を目指す気持ちにはなれないようです。

だからこそなるべく良いものを見る目を養う機会を作ってみて下さいね。

前回のお話では「私は美容師に向いていないんじゃないか…」と思った出来事をお伝えいたしました。

…ところが!!そのあとに勤務した場所で、私の人生は大きく変わったのです。

酒飲みの店長の店を辞めた後に、メイクの先生から「そうま。ホテルでメイクが出来る子を欲しがっているけど、行くか?」と聞かれ、都内のホテルを紹介してもらいました。

帝国ホテルやオークラなどのような名だたる一流ホテルではないですが、こじんまりとして上品なホテルに20歳の私はドキドキしながら初出勤しました。

ホテルで働き始めた1993年はバブル崩壊とはいえ、まだ景気が良かったころの名残もあり、毎週土日には10~12件の結婚式がありました。

ドレスや着物を目にする機会も多く、美容室内は白無垢や色打掛の花嫁様が行き交い、お色直しでは豪華なウェディングドレスを触る日々。

華やかなホテルでの仕事が楽しくて、気がつけば5年も勤務してました。

だからね、サロンワークが合わなくても、美容師は辞めなくていいんですよ。他に自分が生き生き出来る場所を探せばいいんです。

せっかく取った美容師免許を活用しないなんてもったいない!!

なかには薬品アレルギーでボロボロの手をしながら美容師を続ける人もいますが、ヘアセットやメイクや着付を中心に仕事をすれば手荒れに悩むことも少ないんです。

私も現にホテルに行く前はシャンプー剤で手が荒れて手首の内側がグチャグチャになってました。パーマ液とか触らなくなると薬をつけなくてもすぐに治りますし。

最近はまつ毛エクステをするアイリストなんてお仕事も美容師免許が必要ですからね(^^)

私も最初はメイクしかできませんでしたが、先輩方からフェイシャルエステを習い、ネイルケアを習い、ヘアセットを習い、着付を習い、電話の応対、接客の方法などさまざまなことを教えていただきました。

当時は、和装が主流だったこともあり、ホテルや結婚式場の美容室は年配(50~60代)のスタッフが多かったようですが、私の勤務したホテル美容室は30~40代のスタッフが多く、比較的若い感覚でヘアメイクが出来ていたように思います。

それでも20歳で勤務する人は珍しく、パートでヘアセットに来ていた60代の方に「その歳でセットが出来るのは貴重よ」と言われ、その時はピンときませんでしたが、今となってはその意味がよく分かります。

美容師免許を取って25年になりますが、45歳で婚礼のヘアメイクを20年もしている美容師さんって意外と少ないみたいなんです。キャリアが20年というと、だいだい5~10歳ほど上の方になるんですね。

しかも20歳から、かつら合わせのヘルプ、留袖着付けのヘルプ、打合せのアシスタントなど現場経験を積み、お色直しのメイクに至っては、白塗りをいったん落としてから先輩がヘアセットしている時に同時進行で仕上げていくという、かなり高度なことをしていました。

(頭をかなり揺らされてもタイミングを合わせて短時間(15分~20分)でメイクするのって結構大変なんですよw)

そこの職場には銀座出身の先輩が2人もいて、ヘアセットの基礎をキチンと教えてくれたり、エレガントな和髪をアシスタントをしながら間近で見る機会があったなんで、今思えばなんて贅沢だったんだか!!

さらに35歳にして着付歴が20年近い先輩もいて、苦しくないのに崩れない着付けのコツを教えてくれたりと、もうホント宝物がいっぱいあった職場だったんだなとつくづく思います!!

当時は覚えたことをすぐに実践したくて、先走ってヘアセットを仕上げたりすると「まだ一人でやっちゃダメ。必ず誰かに最後は誰かに見てもらって!」と先輩にたしなめられたりして窮屈感を覚えましたが、今のヘアメイクさん達を見ると、先輩の技術を見る機会もなく「手を出したくてウズウズしている」というよりも、「出来なくて不安なのに、やらされてドキドキしている」という人が多いような気もします。

和装が多いと平日は打掛や長襦袢の衿とじをしたり、お客様の荷物を間違えないように和紙に筆ペンで名前を書いたり、と週末の準備で時間が過ぎましたが、そう言った雑用ですら無駄なことは無いと今は思います。当時は面倒くさいな~とか思ってましたけどね(笑)

着付の仕事をする上で針仕事は絶対に必要ですし、筆文字を鍛えられたおかげで「字が綺麗ですね」とほめていただく機会も多いのです。

「ヘアセットが出来る」「メイクが出来る」「着付が出来る」…ではなく、【すべてが出来る】という事がどれだけプラスになるか。20年経った今、身をもってその価値を感じています。

今はだいぶネイルやエステが気軽にできるお店が増えましたが、あの頃はあまりなかったのでホテルでブライダルエステをされる方も多く、アシスタント時代はエステもネイルも担当させていただいてました。

その気になれば自分がすべての業務ができるというのは、ある意味とても強い武器だと思います。

私はいろいろなことを覚えるとつまらなくなってしまうタイプらしく(^^;)ここのホテルに5年ほど勤務した後に転職を考え始めました。

やはり「美容師」なのにカットが出来ないって中途半端な気がしたんですね。

もちろんここのホテル美容室の先輩方もサロンワークが長い先輩がいて、カットやパーマを教えてくれたり、友人やホテルスタッフにモデルになってもらったりして何人かは切りましたが、数としては断然少ない。

ここはひとつ美容室に勤務してみよう!と、これまたメイクの先生に相談→紹介されて、都内の新規オープンの美容室で働くことにしました。

ちょうど勤務して3年ほどした23歳の秋に、長年ガンで闘病していた父が亡くなったこともあり、金銭的にも気持ち的にも余裕ができてきて、基本的な生活費は母がまかなってくれていたこともあり、私が家に入れるお金が多少減ってもなんとかなるし、すこし自分のやりたいことをしてみようと思ったんです。

結局はいくら勉強しても、自分で経験したことしか身についていかないので、考えてる暇があったら、ドンドン動いてみたらいいと思うんですよね。

ただね。いっぺんにアレコレやっても身に付きませんから、時間はかかるようでも一つ一つ着実に自分の物として身に着けて行かないと、お金ばっかりかかって結局何も出来ない状態になりますから。

それだけは気を付けて下さいね。あっという間に年は取っていってしまうわけだし、悩んでいたらもったいない。

失敗を恐れる人は多いのだけど、実はその失敗の先にしか成功はないんですよね。

もし「100回失敗したら、キミは成功できるよ」と確約されていたら、あなたはその100回の失敗にどのくらいの時間をかけますか?

1か月で100回失敗するのと、10年かけて100回失敗するのはどっちがいいですか?と自分に聞いてみて下さいね(^^)

…次回はそんな、新しい挑戦についてお話させていただきます。

関連記事

  1. ヘアセットの一番大事な基礎が通信講座で学べます
  2. 手っ取り早くヘアセットができる方法
  3. 遠方からの生徒さん
  4. 遠くても通いたいと思えるスクールとは?
  5. 下請けに頼らないフリーランスの生き方
  6. 七五三・成人式・卒業式など記念日のお支度&撮影
  7. ついに!!基礎コースの教科書が印刷段階に入ります!!
  8. ヘアセットの基礎を学ぶ6か月の少人数グループレッスン
PAGE TOP